サーペンタインチェストwith ブラッシングスライド/1243-003/幅60/奥行51.7/高さ107cm

1243-003

450,000円(税込495,000円)

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コンパクトなサイズ感でありながらも英国アンティークの粋を集めたチェストのご紹介です。


まず特徴的なのはうねるような曲線を描く前面部分。中央が緩やかにぜりだし、両端が凹んでいるシェイプはサーペンタインとよばれるものです。


「サーペンタイン/serpentine」とは名詞「serpent」の形容詞。語源はラテン語の「這うもの」の意味となり、「(大きな)蛇」をさします。例えば旧約聖書でイブに知恵の実を食べさせた蛇は「snake」ではなく「serpent 」と表現されています。狡猾な悪賢さの象徴として描かれていますが、一方で蛇は脱皮してまた大きく、長生きすることから、古くから豊穣と多産と永遠の生命力の象徴でもありました。

昔からアンティーク家具の名前として「サーペンタイン」が良く使用されることは、その神業とも思われる再生の力を家具に込めようとしたのではないでしょうか。また、この曲線を造り出すことには多くの材と手間がかかっており、そこまでしても必要な意匠であった、ということに非常なこだわりを感じます。




もうひとつの特徴は、中ほどに「brushing-slide/ブラッシングスライド」が仕込まれていること。

このような仕掛けスライド(拡張天板)はバチェラーズチェストに良く見ることが出来ます。バチェラーズチェストとは小型のチェスト・オブ・ドロワーズの一種で、英国では17世紀後半からみられるようになりました。Bachelor /バチェラーとは、英語で未婚男性、独身男性のこと。語源は古いフランス語の「若い騎士」からきているといいます。一般的には拡張天板をもち、その上で書き物をしたり、服を整えたりするのに使用したようです。


今回のお品物のスライドは中ほどに設けられており、少し背も高いチェストですので、バチェラーズチェストと呼ぶのは避けました。はっきりとした区分けは無いように思えますが、おそらくバチェラーズチェストとは比較的小型のものを指すことが多いような気がします。


このお品物のスライドは天板ではなく中間やや上、00cmのところに作られており、そこに服などを広げて作業をするために頃合いの高さといえるかもしれません。これは実はスライドを広げつつ、上の二段の引き出しからなにかを取り出すにはとても便利。しっかりと実用にお使いいただけます。


最後に材について。天板と引き出しの前板にはバーウォールナットの化粧張りが施され、周囲はクロスバンディングで縁取られています。渦巻きのような杢目があるバーウォールナットはアンティーク家具では定番のひとつではありますが、1点づつ異なり、自然が創り出す造形美には見飽きることがありません。左右の側板は板目の特徴的な杢目が現れており、前面との表情の違いもお愉しみいただけるのではないかと思います。


幅約60cmとコンパクトながら、100cmを超える背の高さで収納力は抜群。必要に応じてブラッシングスライドをご活用いただければ、きっと日々の生活にお役立ていただけるのではないかと思います。

知るほどに味わい深くなる。
英国アンティーク家具の醍醐味を是非ご堪能ください。




■英国
■主素材:ウォールナット
■推定製造年代:1900年代
■サイズ:幅60/奥行51.7/高さ107cm
■鍵は付属しません。
■こちらのお品物はアンティークです。新品家具にはない小傷や歪み等がございます。アンティーク家具の特性につきましてはこちらをご一読ください。